「蛋白尿」と言われたら ― 腎臓からの大事なサインかも?
こんにちは。
たかえ内科クリニックが開院して2週間が経ちました。
今日は「蛋白尿(たんぱくにょう)」について、よくご質問いただく内容をもとに、わかりやすくお話ししたいと思います。
■ そもそも「蛋白質」って何?
蛋白質は、筋肉や臓器、ホルモンなど、私たちの身体を作るために欠かせない大切な栄養素です。だからこそ、体はそれを無駄にせず、ふつうは尿の中には出てこないように守っています。
■ 「蛋白尿」とは?
そんな大切な蛋白質が尿の中に漏れ出てしまうことを「蛋白尿」と呼びます。
これは、腎臓がダメージを受けているサインかもしれません。尿をした後、泡がなかなか消えないと感じたことはありませんか?まるでビールの泡のように残っていたら、蛋白尿の可能性があります。
■ 腎臓は“目の細かいザル”
腎臓の働きは、いらない老廃物や余分な水分を体の外に出すこと。
イメージとしては、「目の細かいザル」でこしているようなものです。健康な腎臓なら、蛋白質のような大切な成分はちゃんと体に残します。ところが、腎臓が弱ってくるとザルの目が粗くなり、蛋白質まで漏れてしまうようになるのです。
■ 蛋白尿がもたらす影響
蛋白尿が続くと、それ自体が腎臓をさらに傷つけ、慢性腎臓病や末期腎不全へ進行するリスクがあります。また、心臓病の発症や死亡率が高くなるという報告もあり、決して軽く考えてはいけません。
■ 自宅でできるチェック方法
心配なときは、薬局などで販売されている「尿試験紙(テステープ)」を使えば、自宅でも簡単に確認できます。日頃から腎臓を気にかけておくことが、健康を守る第一歩です。
■ 健康診断で「+」が出たら?
健康診断で「蛋白尿1+以上」と言われたら、必ず再検査を受けましょう。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出にくいため、蛋白尿はとても貴重な“腎臓からのSOS”です。
■ 尿検査にも種類があります
・定性検査:尿中の蛋白濃度をざっくり調べる方法。
※注意:脱水などで尿が濃くなると、本当は異常がなくても「陽性」と出ることがあります。
・定量検査:1日あたりの蛋白量(何g出ているか)を詳しく調べる方法。本当に腎臓に異常があるか、より正確に判断できます。
■ 「一時的な蛋白尿」もある?
激しい運動のあとや、発熱時などに一時的に蛋白尿が出ることがあります。これは「生理的蛋白尿」といって、病気ではありません。でも、それを区別するには再検査が大切です。一度の検査で安心せず、きちんと確認しましょう。
■ 最後に
腎臓病は、早く気づけば進行を防げる病気です。
「蛋白尿」と言われても、あわてず、一歩ずつ対応していけば大丈夫です。当院では尿の詳細な検査から、超音波検査で腎臓の評価も可能です。もし気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。あなたの腎臓を、一緒に守っていきましょう!