お知らせ

news

ホーム お知らせ 「風邪」に本当に効くのは何?正しい知識でムダな治療を防ぎましょう
コラム

「風邪」に本当に効くのは何?正しい知識でムダな治療を防ぎましょう

気温差が大きくなったり、季節の変わり目になると「風邪をひいたかも…」という声が増えてきます。
軽く見られがちな風邪ですが、正しい知識を持つことで、ムダな治療を避け、早く回復する近道になります。

 

 

今回は、「風邪とは何か?」という基本から、予防・治療・よくある誤解まで、まとめてお伝えします。

 

■「風邪」とは?

風邪とは、さまざまなウイルスに感染して起こる体調不良の総称です。
咽頭痛、鼻水、咳、発熱などがよく見られる症状で、原因となるウイルスは200種類以上あるとも言われています。
一般的な風邪のほとんどは数日で自然に良くなりますが、実はインフルエンザも新型コロナも広い意味では“風邪の一種”といえます。
つまり、「軽い風邪」と思っていたら実はインフルエンザや新型コロナだった、ということもあるのです。

 

■風邪の治療方針は「対症療法」が基本です

風邪のウイルスに効く「特効薬」は、基本的に存在しません(インフルエンザなど一部の例外を除く)。
そのため、治すのではなく、つらい症状をやわらげて、自然治癒を待つのが一般的な方針になります。
市販薬や処方薬は、症状を緩和する「対症療法」のためのものです。
ですので、これらの薬の実際の効果は「症状が軽くなる」というものになります。

 

■風邪を「早く治す」には?

薬で風邪を完全に治すことはできませんが、ビタミンCを多めに摂取することで、症状が軽くなったり、治るまでの期間が1日ほど短くなるという報告があります。
また、漢方薬もうまく使うと体の回復を助けることがあります。

 

<たとえば>

  • 葛根湯(かっこんとう)…風邪のひき始めに
  • 麻黄湯(まおうとう)…高熱が出たときに
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)…水っぽい鼻水に
  • 麦門冬湯(ばくもんどうとう)…粘っこい咳や痰に

ただし、症状や体質によって合う漢方薬は異なるので、医師にご相談ください。

 

■風邪に抗生物質は効くの?

「風邪=抗生物質」というイメージを持っている方もいらっしゃいますが、風邪の原因はウイルスなので、細菌にしか効かない抗生物質は基本的に効果がありません
「抗生物質を飲んだらすぐ治った!」という経験は、実は自然に治るタイミングと重なっただけということが多いのです。

 

ただし、風邪のあとに肺炎や副鼻腔炎など細菌感染を合併した場合は抗生物質が必要になります。
以下のようなときは、すぐに再受診をおすすめします。

  • 一度よくなったのにまた高熱が出た
  • 体のだるさが以前よりも強く、日常生活に支障が出る
  • 息苦しさが強くなってきた

 

■「念のため抗生物質」は逆効果?

「それなら、いっそ早めに抗生物質を飲んでおいたほうが安全では?」と思われるかもしれません。
しかし、抗生物質には副作用がありますし、乱用すると“耐性菌”ができて、本当に必要なときに効かなくなる可能性があります。
特に、以下のような方は注意が必要です。

  • 肺炎を繰り返したことがある方
  • 喫煙歴がある方
  • 高齢な方や免疫力が低い方

これらの場合は、抗生物質を早めに使う必要があるかもしれませんので、個別にご相談ください。

 

■風邪の予防にできること

風邪はウイルス感染ですから、予防がとても大切です。以下を意識してみましょう。

  • 手洗い(流水で20〜30秒が目安、できればアルコール消毒も)
  • マスク着用(飛沫感染対策として)
  • 部屋の湿度を保つ(乾燥は感染リスクを上げます)
  • 栄養バランスのよい食事と十分な睡眠
  • 規則正しい生活で免疫力を保つ

なお、うがいは科学的根拠が不十分で、ヨード系うがい薬(イソジンなど)は使いすぎに注意。特に妊娠中の方には推奨されません。

 

■まとめ

風邪は誰でもかかる可能性のある病気ですが、正しく理解し、正しく対処することで、無駄な薬や受診を減らすことができます。
そして、一度風邪をひいてしまったら、無理をせず、栄養をとってしっかり休むのが一番の近道です。

不安な症状やお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

健康な毎日を過ごせますように。

カテゴリー
お知らせ
コラム
ブログ
採用情報
ページトップへ