熱中症の主な症状と応急処置のポイント ~万が一のときに慌てないために~
こんにちは。
日差しの強さが日に日に増してきましたね。これからの季節、気をつけたいのが「熱中症」です。熱中症は誰にでも起こり得る身近な健康トラブルですが、放っておくと命に関わる重大な疾患にもつながります。
今回は、熱中症の主な症状と応急処置の方法について、医師の視点からわかりやすくご紹介します。ご自身やご家族の命を守るために、ぜひ一度目を通しておいてください。
◆ 熱中症の主な症状とは?
熱中症は、以下のような症状から始まることが多く、重症度によって分類されます。
主な症状:
- めまい、立ちくらみ
- 顔のほてり
- 筋肉痛や筋肉のけいれん(足がつる等)
- 異常な発汗(大量、あるいはまったく汗をかかない)
- 頭痛、吐き気、倦怠感
- 体温上昇(高体温)
- 意識の混濁、けいれん、手足の運動障害(重症時)
これらの症状がひとつでも現れたら、熱中症の可能性があります。迷わず応急処置を行いましょう。
◆ 応急処置の4つのポイント
① 涼しい場所へ移動させる
まずは、日陰やエアコンの効いた室内など、涼しい場所へ避難しましょう。炎天下での処置は悪化を招きます。
② 衣服をゆるめて体を冷やす
ベルトや襟元などを緩め、太い血管の通る場所(首・わき・足の付け根)を冷やすと効果的です。
氷枕や保冷剤があれば利用し、なければ濡れタオルや霧吹きと扇風機などで冷却を行いましょう。
③ 水分と塩分を補給する
意識がある場合に限り、経口補水液などでこまめに補給します。
経口補水液がなければ 水500mLに対し砂糖 大さじ2・1/3 (20g)、塩 小さじ1/4(1.5g)を溶かすことで手作りすることもできます。レモンがある場合は、上記にレモン果汁を25mL加えてください。
漬物、お味噌汁や果物を摂ることも効果的です。
※意識がない場合は絶対に無理に飲ませないでください。
④ 症状が改善しない場合はすぐに医療機関へ
しばらく安静にし、症状が改善するか見守りましょう。改善しない場合や、少しでも不安な点があれば、早めに医療機関を受診してください。
◆ 意識がないときの対応は?
意識がなければ、すぐに119番通報をしてください。救急車の到着までの間にも、涼しい場所へ移し、衣類を緩めて冷却を始めます。
ただしこの状態では、水を飲ませるのは厳禁です。誤嚥の危険があります。
◆ 症状が軽くても油断は禁物!
「一時的に症状が改善したからもう大丈夫」と思ってしまうのはとても危険です。
数時間後に再び症状が現れることもありますし、体内には目に見えないダメージが残っている可能性があります。
特に高齢の方、持病をお持ちの方は、早めに受診されることをおすすめします。
◆ 医療機関での治療方法
クリニックや病院では、以下のような治療が行われます。
- 全身の冷却(氷枕や霧吹き、扇風機などを使った体外冷却)
- 点滴による水分・電解質補給(ナトリウム・カリウムなど)
- 重症例では入院管理(場合により意識障害や後遺症の可能性も)
必要に応じて、体内を冷やす治療(冷却生理食塩水の注入など)が行われることもあります。
◆ 熱中症を防ぐために
熱中症は、予防が何よりも大切です。
- 暑さを避ける
- こまめな水分・塩分補給
- 無理をせず適度に休憩
- 室内でも油断しない(エアコンの活用)
そして、いざというときに正しい応急処置ができるかどうかが、重症化を防ぐカギになります。
◆ こんなときは迷わず医療機関へ!
- 呼びかけに反応が鈍い
- けいれんや手足の動きに異常がある
- 吐いて水分がとれない
- 体温が明らかに高く、意識がもうろうとしている
◆ まとめ
- 熱中症は、初期対応が重要です
- 「冷やす」「休ませる」「水分補給」「必要なら医療機関へ」が基本対応
- 軽症でも安心せず、慎重に様子を見ましょう
- 万が一に備えて、家族や職場でも対応方法を共有しておくことが大切です
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たかえ内科クリニック