【透析が必要と言われた方へ】金銭的な不安を軽くする制度と申請先まとめ
こんにちは。
当院では、腎臓病や透析に関するご相談を日々お受けしています。
中でもよく聞かれるのがこの言葉:
「透析ってずっと続くって聞きました…
医療費、払っていけるか心配です」
たしかに、透析は週に3回通うことになる長期治療で、医療費も高額です。
でも、ご安心ください。
日本には、透析患者さんを支える公的な支援制度がいくつも整備されており、
自己負担額を月1万円以下に抑えることも可能なんです。
今回は、「何を」「どこに申請すればいいか」がすぐわかるよう、金銭的支援制度を申請窓口別に整理してご紹介します。
🌿 ステップ① 健康保険で申請する制度(まずはここから)
◆ 特定疾病療養受療制度(高額療養費の特例)
▶ 内容:
透析のような長期治療の自己負担上限を
月1万円(または2万円)に抑える制度です。
▶ 申請先:
お持ちの 健康保険証の発行元(保険者)
※保険証の裏に電話番号が記載されています。
・会社員の方 → 協会けんぽ or 組合健保
・公務員の方 → 共済組合
・自営業・フリーランス → 国民健康保険(市区町村)
・前期・後期高齢者 → 国民健康保険(市区町村)
🌿 ステップ② 市区町村で申請する制度(住民票のある自治体)
◆ 自立支援医療(更生医療)
▶ 内容:
透析などで生活の質が改善される治療を受ける方の
医療費をさらに軽減する制度です(原則1割負担)。
自己負担が1万円 → 約2,500~5,000円に!
指定自立支援医療機関(更生医療)でのみ対応可能です。
申請された医療機関・薬局に限られます。
▶ 申請先:
お住まいの市区町村の福祉課・障害福祉課
🔍「○○市 自立支援医療 更生医療」で検索すると、窓口や必要書類がわかります。
◆ 身体障害者手帳(腎機能障害)
▶ 内容:
透析患者さんは身体障害者手帳の1級に該当することが多く、
税金や交通費、携帯電話の割引など多くの支援が受けられます。
▶ 申請先:
市区町村の障害福祉課
※医師の診断書(所定の様式)が必要になります。
→ 透析クリニック・病院でご相談いただけます。
◆ 障害者医療費助成制度(自治体によって名称が異なります)
▶ 内容:
透析治療費が0円になることもある医療費助成制度。
身体障害者手帳を取得している方が対象です。
所得によっては発行されないこともあります。
▶ 申請先:
市区町村の福祉医療窓口
名称は地域によって異なり、
例:
・東京都 → 「マル障」制度
・大阪府 → 「重度心身障害者医療費助成」
・福岡市 → 「重度障がい者医療費助成制度」
・春日市 → 「重度障害者医療費支給制度」
・那珂川市 → 「重度障がい者医療制度」など
🔍「○○市 障害者 医療費 助成」で検索を!
🌿 ステップ③ 年金事務所で申請する制度(収入の支えになる)
◆ 障害年金
▶ 内容:
透析患者さんの多くが障害年金2級に該当し、
月6〜7万円の年金を受給できる可能性があります。
▶ 申請先:
年金事務所 または 市区町村の国民年金窓口
※医師の診断書+初診日の証明が必要です
→ この準備はクリニックでもサポート可能です。
🌿 ステップ④ 万が一の備えとして(副作用被害救済)
◆ 医薬品副作用被害救済制度
▶ 内容:
透析中に服薬している薬の副作用で
入院や後遺障害が残った場合の救済制度です。
治療費や手当金(3〜4万円程度)が支給されます。
▶ 申請先:
PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
https://www.pmda.go.jp/
✅ まとめ|申請窓口ごとの整理表
制度名 | 内容 | 自己負担/支援 | 申請先(窓口) |
特定疾病療養受療制度 | 月額上限1〜2万円 | あり | 加入中の健康保険(保険証裏参照) |
自立支援医療(更生医療) | 自己負担をさらに軽減 | 半額(約2,500~5,000円) | 市区町村の福祉課 |
身体障害者手帳 | 各種控除・割引対象に | 支援内容多数 | 市区町村の障害福祉課 |
障害者医療費助成制度 | 自己負担0円になることも | 地域で異なる | 市区町村の福祉医療窓口 |
障害年金 | 毎月の生活支援金 | 月6〜7万円支給 | 年金事務所・市役所年金窓口 |
医薬品副作用被害救済制度 | 副作用による補償 | 条件により支給 | PMDA(国の機関) |
🌟 最後に:不安を一人で抱え込まないでください
透析は、生活と向き合いながら続けていく治療です。
治療そのものも大変ですが、金銭的な不安が重なるとさらに苦しくなりますよね。
でも、制度を知って、正しく申請すれば、
月の自己負担が1万円以下、あるいは0円で治療を続けることが可能です。
当院でも、制度申請のサポートを行っています。
「何から手をつけていいか分からない…」
そんなときは、遠慮なくスタッフまでご相談ください。
「安心して透析を続けるために」。
私たちが全力でお手伝いします。
▶ このページは印刷して、ご家族ともぜひ共有ください。
▶ 各制度の申請書類・手続きサポートも当院でお渡しできます。
那珂川市、福岡市南区、春日市、大野城市の方は近隣ですので、気になる方は092-555-6886までお気軽にご相談ください。
たかえ内科クリニック