【驚きの事実】慢性腎臓病(CKD)は「透析」だけじゃない!死亡リスクも急上昇
こんにちは。今日は慢性腎臓病(CKD)の方に知っていただきたい、少しショッキングなお話です。
「腎臓が悪くなると透析になる」——これはよく知られています。
でも実は、腎臓の機能が落ちると、心臓病で亡くなるリスクや、あらゆる原因で亡くなるリスクまで上がることが、大規模研究で明らかになっています。
【腎機能ごとの年間リスク】
(100人中、1年間で病気を経験する人数)
腎機能(eGFR) | 透析になる | 心臓病で亡くなる | 何らかの原因で亡くなる |
60以上(正常〜軽度低下) | 0人 | 0〜1人 | 1人 |
45〜59(軽度低下) | 0〜1人 | 1人 | 2人 |
30〜44(中等度低下) | 2人 | 2〜3人 | 4人 |
15〜29(高度低下) | 10人 | 5人 | 8人 |
15未満(末期) | 25人 | 12人 | 20人 |
💡 ポイント
- eGFRが45〜59でも、全死亡は2人/100人/年と約2倍に上昇
- 末期腎不全(eGFR 15未満)では、4人に1人が1年で透析、5人に1人が死亡
- 腎機能低下は「静かに進む」だけでなく、「短期間で大きなリスクをもたらす」病気
💡 なぜ腎臓が悪くなると心臓まで?
腎臓が悪くなると、
- 血圧が上がる
- 水分・老廃物が体にたまる
- 血管の動脈硬化が進む
こうした変化が心筋梗塞や心不全の引き金になります。
腎臓と心臓は「心腎連関(しんじんれんかん)」と呼ばれる密接な関係でつながっているのです。
🩺 今日からできる腎臓ケア
- 年1回は検尿と血液検査でチェック
→異常があればすぐに専門医へ受診を! - かかりつけで腎臓が悪いと言われている場合も専門医への受診を検討を
- 塩分は1日6g未満を目標に
- 血圧・血糖の管理を怠らない
- 体重・むくみ・息切れの変化を見逃さない
📍 まとめ
慢性腎臓病は、「透析になるかどうか」だけの病気ではありません。
命や心臓の健康にも直結する重大な病気です。
今回提示したデータは海外のデータですので、そのまま私たち日本人に当てはまるものではありませんが、日本人のデータでも同じ傾向が示されています。
早期発見と生活習慣の改善が、透析や心臓病、そして命を守るカギになります。
当院では腎臓の評価以外にも、脈波の検査やエコーでの動脈硬化の評価も可能ですので、気になることがありましたらいつでもご相談下さい。
今回参考にした文献:Go As. N Engl J Med. 2004; 351:1296-305. Chronic kidney disease and the risks of death, cardiovascular events, and hospitalization.
那珂川市、福岡市南区、春日市、大野城市の方は近隣ですので、気になる方は092-555-6886までお気軽にご相談ください。
たかえ内科クリニック