腎機能を考える便秘治療、便秘薬ルビプロストン(アミティーザ®)に注目!
皆さん、こんにちは!
今日はちょっと気になる最新の研究をご紹介します。慢性腎臓病(CKD)を抱えながら便秘に悩んでいる方が増えていますが、
便秘薬によって腎臓へ良い効果が得られるかもしれないとの報告です。
◆ 舞台はアメリカ退役軍人病院(2004~2019年)
CKDと便秘を同時に抱える患者さん約52,000人を対象にした観察研究です。そのうちルビプロストン(アミティーザ®)を使い始めたのは約1%、残り99%は従来型の下剤を使用していました。
主な比較項目
- 腎代替療法(末期腎不全)への移行
- eGFRが15 mL/min/1.73 m²以下になる割合
- eGFRが57%以上低下する割合
これらを総合した「複合腎アウトカム」や、eGFRの年間変化率を指標として評価しました。
◆ その結果は…?
驚くべきことに、ルビプロストン(アミティーザ®)を使った患者さんは一般的な下剤を使っている人に比べて、腎機能が悪化するリスクが有意に少なかったのです。
- 腎アウトカムのリスクは30%低下
- eGFRの急激な低下(年間変化率 < −3 mL/min/1.73 m²)についても リスクが約60%減少
◆ まとめ
便秘は「腎臓の病気とは別の話」と思われがちですが、実は腎臓にも影響する可能性があります。
今回の研究では、ルビプロストン(アミティーザ®)という便秘薬を使った人は、従来の下剤を使った人よりも、腎臓の悪化が緩やかでした。
もちろん、どの薬が良いかは人によって違いますし、この結果だけで全員にルビプロストン(アミティーザ®)を勧められるわけではありません。
でも、「便秘の薬を選ぶときに腎臓への効果も考える」――そんな新しい視点を教えてくれる研究でした。
当院での対応も検討中です
もちろん今回の結果は観察研究であり、無条件に推奨できるわけではありません。ただ、便秘の治療選択において「腎機能への影響」も含めて考える価値があると感じています。今後、臨床試験での検証も進むことでしょう。
那珂川市、福岡市南区、春日市、大野城市の方は近隣ですので、気になる方は092-555-6886までお気軽にご相談ください。
たかえ内科クリニック