糖尿病の治療を途中で挫折してしまった方へ 〜最新研究から示される自己中断の理由とは〜
こんにちは、たかえ内科クリニックです。
糖尿病は「長く付き合う病気」。でも実際には、仕事や家庭の事情、気持ちの変化などで途中で通院をやめてしまう方は少なくありません。
そんな時に「もう病院には行きにくい」「怒られるかも…」と不安に思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
◆ 研究で分かった「中断リスク」の特性
2025年にBMJ Openに発表された日本の大規模研究(約1000人の2型糖尿病患者さん対象)では、通院の中断歴とHbA1cの値が将来の中断リスクと強く関係していることが示されました。
具体的には…
- 過去に通院を中断したことがある人は、そうでない人に比べて
→ 3.6倍も再び中断しやすい - 全体としてHbA1cの値だけでは中断リスクと明確な関係はありませんでしたが、「これまで中断歴がない人」の中でHbA1cが10%以上の人は、
→ HbA1cが6〜7%台の人に比べて約3.8倍中断しやすい
つまり、
- 「前に通院をやめたことがある人」
- 「HbA1cが高めでコントロールが難しい人」
は、これからも中断してしまいやすい“特性”を持っていることが分かりました。
◆ 中断は「珍しくない」けれど…
日本全国で見ても、糖尿病患者さんの年間5〜8%が通院をやめてしまうと報告されています。
ですから、途中でやめてしまった経験があることは決して珍しいことではありません。
大切なのは「やめてしまったこと」ではなく、「また始めること」です。
治療を再開することで、網膜症、腎臓病、透析や心臓病、脳卒中といった重い合併症のリスクを確実に下げることができます。
◆ たかえ内科クリニックは「再スタート」を応援します
当院では、
- 「前に通院が続かなかったけれど、もう一度やり直したい」
- 「HbA1cが高くて不安だから相談したい」
- 「無理なく続けられる方法を一緒に考えてほしい」
そんな方を心から歓迎します。
研究でも明らかになったように、「中断歴がある」「HbA1cが高い」方は特にサポートが必要です。
私たちは、患者さんの背景や生活に合わせて続けやすい治療法を一緒に探していきます。
◆ 最後に
糖尿病の治療は「やり直しができる病気」です。
過去に中断してしまった経験があっても、決して恥ずかしいことではありません。
もし「もう一度始めてみようかな」と思ったら、どうぞ気軽にご相談ください。
私たちが、あなたの再スタートを全力で応援します。
参考文献 Goto et al. BMJ Open. 2025 Aug 6;15(8):e092013. Association of dropout history and HbA1c levels with subsequent dropout risk in patients with diabetes: a secondary analysis of the Japan Diabetes Outcome Intervention Trial-2 Large-Scale Trial 008 (J-DOIT2-LT008)
那珂川市、福岡市南区、春日市、大野城市の方は近隣ですので、気になる方は092-555-6886までお気軽にご相談ください。
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