心臓病や高血圧の方へ運動とお酒の上手な付き合い方
みなさんは「運動は体にいいけれど、お酒はどうなんだろう?」と考えたことはありませんか?
最近、アメリカで行われた大規模調査(NHANES研究)で、「心臓病のある人にとって、運動とお酒の組み合わせがどのように寿命に影響するか」が詳しく調べられました。

■ 研究の概要
対象となったのは、心筋梗塞・狭心症・脳卒中・心不全などの心血管疾患(CVD)を持つ約4,000人。
研究者たちは、運動量とお酒の摂取量を組み合わせて、誰が最も長生きしているかを解析しました。
■ 運動は「週150分」が理想。でも、少しでも効果あり!
世界保健機関(WHO)は、週に150分以上の中等度の運動(ウォーキング・体操など)を推奨しています。
例えば…
- 中等度の運動:息が少し上がる程度の速歩きや軽いサイクリング
- 150分の目安:1日30分×週5日、あるいは1回50分×週3回ほど
この研究でも、運動を全くしていない人に比べて、
- 週150分未満でも死亡リスクが約35%減少
- 週150分以上では約55%減少
という結果が得られました。
つまり、「少しでも体を動かすこと」が非常に大切なのです。
■ お酒は「ほどほど」がポイント
お酒の摂取量は「1杯=ビール中瓶1本・ワイングラス1杯・日本酒1合」ほど(アルコール約14g)として計算されています。
研究では次のように分類されました:
| 区分 | 目安 | 日本の感覚で言うと… |
| 禁酒 | 0杯/週 | 飲まない人 |
| 軽度 | 0.1〜8.4杯/週 | 1日にビール1本程度 |
| 中等度 | 8.5〜15.4杯/週 | 1日にビール2本程度 |
| 多量 | 15.5杯以上/週 | それ以上 |
結果として、軽度〜中等度の飲酒をしている人が最も死亡率が低く、
多量に飲む人ではむしろリスクが上がる傾向がありました。
■ 運動とお酒の「組み合わせ」が重要!
研究で最も長生きだったのは、
- 週150分以上の運動+軽度〜中等度の飲酒をしている人たちでした。
この組み合わせでは、死亡リスクが約65%も低下していました。
一方で、
- 運動していてもお酒をたくさん飲むと、効果は帳消し。
- 運動が少なくても軽い飲酒をしている人は、運動をしていない人より良好な結果。
つまり、「運動が基本、お酒はほどほど」が心臓にとって最も良いバランスといえます。
■ なぜ運動と軽い飲酒で健康に?
- 運動が血圧・血糖・脂質を改善する
→ 心臓への負担を減らし、動脈硬化を防ぐ。 - 軽い飲酒がHDL(善玉コレステロール)を増やす
→ 血管の掃除役が活発に働き、詰まりを防ぐ。 - どちらもインスリン抵抗性を改善
→ 糖尿病や代謝異常のリスクが下がる。
ただし、お酒は「薬」ではありません。
飲み過ぎれば肝臓病やがんのリスクが高まり、せっかくの効果が失われてしまいます。
■ 院長からのまとめ
- 運動は“できる範囲で続ける”ことが大切です。
通勤の徒歩や階段利用、買い物ついでの散歩でも効果があります。 - お酒は“1日1杯まで・週に3〜4回まで”を目安に。
休肝日を設けることも忘れずに。 - 飲めない方は無理に飲む必要はありません。
研究結果からも、「運動」が一番の鍵です。
🍀「お酒を楽しむより、運動を習慣に」
たかえ内科クリニックでは、心臓や腎臓にやさしい生活習慣づくりをサポートしています。
運動や食事のご相談もお気軽にどうぞ。
参考文献 Zhang S et al. Front Nutr. 2025 Sep 2:12:1616561. doi:10.3389/fnut.2025.1616561. eCollection 2025. Association between joint physical activity and alcohol intake and all-cause mortality in patients with cardiovascular disease: findings from NHANES 2007-2018.
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